ジュワユース。
それはかつて多くの冒険者達を魅了した、一振りの青く美しいレイピアです。
通称ジュワタコと呼ばれるNM「Charybdis」がドロップしたその片手剣は「時々2回攻撃」というプロパティを持ち、その稀な性能ゆえに、NMのPOP地点には常に誰かしらが張り込んでいる大人気NMでした。
ジュワユースは特に赤魔道士垂涎の素敵装備で、「デュエルシャポーにジュワユース」といえば、それはもう最高にカッコ良いデキる赤魔道士の象徴、ヴァナ中の赤魔達が憧れた特別な装備だったものです。
現役時代の私も当然ジュワユースに憧れ、フレの助けを借りて、なんとかこの素敵装備を手にすることができた一人でした。
ジュワタコと戦ったときの大変な緊張感、無事にドロップして初めて装備したときの高揚感は、鮮烈な思い出のひとつになっています。
さて。
そんなジュワユースですが、IL時代の今は「デマサルデーゲン」という装備に生まれ変わっています。ウォンテッドNMのドロップするいわゆる「Lv75時代のNMドロップ品の上位版」として存在しており、グラフィックや「時々2回攻撃」という素敵プロパティもそのまま。
その存在を初めて知ったのは2019年に復帰した頃でした。「ジュワユースをまた使えるのか!!」と気持ちは大変盛り上がったのですが、よくよく調べたら「NM・Bakunawaに加え、お供のタコ2匹を同時に相手にする必要があり、かつお供は倒しても復活する」というなかなかの難易度。とてもではありませんが、ぼっちの出戻り隠居な私の手に負える相手ではなく、これは無理だなぁ…と諦めたのでした。
先日ふとこのデマサルデーゲンについてを思い出し、到底自分の手に負える相手ではないと思いつつも、未練がましくBakunawaソロ討伐の情報を調べてみました。
すると目にとまったのがひとつの情報。「青魔でギフト400もあればソロでNM討伐できるぜ」。
え。まじで?
私の青魔は、やっとギフト400に届いたあたりです。たいした装備も持ってはいないし、現役プレイヤーさんが記したこの情報を鵜呑みにはできない。…と思いつつも、「もしかしたら今なら取れるかもしれない」と一度思ってしまったら、もう一気に気持ちがそっちにいってしまいました。
だってあのジュワユースの上位版だぜ?
取れるかもしれないならやるしかなかろうよ!!
青魔での攻略のキモは「エントゥーム」なる青魔法です。ダメージありの範囲石化効果を持ち、これで実質石化を上書きしながらお供たちを無力化する、とのこと。
リアルのラーニングリストに「エントゥーム」なる魔法は入ってはいたものの、未だに我が青魔道士は覚えておらず、まずはこれを覚えに行くことからスタートしました。ラ・カザナル宮外郭で迷子になりながらアドゥリン版闇エレであるビルゲンくんを探し、3匹ほどぺちぺち殴って無事にラーニング完了。
よっしゃ、そしたらやってみるか!
と、あらためて青魔ソロ討伐について整理してみます。
Bakunawaのコンテンツレベルは125。これだけ見るとまぁまぁやれそうな気がしますが、ところがどっこい「タコだけに手数が多く、さらにお供のタコを2匹メイルシュトロムと同時に召喚。お供は倒しても再召喚される」のが一筋縄ではいかない点。その上マイティストライクを使用するため、下手をすると一瞬でヤられてしまいます。
ただ幸いなのが、Bakunawaの体力はそれほど高くはない、ということ。
青魔で殴られたらとても耐えられないので、フェイスに盾になってもらい、自分は「エントゥーム」でお供のタコ2匹を無力化しつつ、Bakunawaを倒す。作戦としてはそんな感じです。
で、トライしたところ、お供を無力化すること自体は出来たのですが、これが普通に殴っているとBakunawaさんはけっこう柔らかく、わりと簡単にタゲがこっちにきてしまう。1戦目はソッコーで盾からタゲが剥がれてしまって瞬殺されました。
うーん、これは相当セーブしないといけないみたいだ。というわけで装備や立ち回りを調整して再度挑んでみたのですが、攻撃をセーブすると当然長期戦になり、それはそれでマイティストライク後の猛攻を凌げず盾が沈んでしまう。何度かトライしてみたものの、私ではどうにも勝てる手応えを得られませんでした。
うーん。これはやっぱり私には無理なのだろうか…。
いや待てよ?
マイティストライク時にブン殴られると確かにえげつないダメージを食らうけど、それ以外だと私の青魔でも意外にそれほどダメージを食らってはいない。しかもBakunawaさんは、確かにそれほど固くない。
これって、ひょっとして忍者でゴリ押しできるんじゃね?
ちなみに事前情報では「タコ3匹相手だから忍者だとソッコーで蝉が剥がれて死ぬ」とありました。うん、それは普通に考えれば確かにそう。ただでさえタコとか手数多くて相性最悪だし、しかもそれが3匹。だから私も、そもそも忍者で挑もうっていうアタマ自体が無かった。
でもさ、青魔であのカンジなら、被ダメカットを出来るだけ積んで回避も上げていけばどうだろう。あの感じの柔らかさなら、もしかしたら忍者でなんとかなるのでは…?
なんとかなった。
やってみるもんだな!!!
作戦は、ヤられる前にヤるという最強の脳筋作戦です。
まずはとにかく出来る限り被ダメカット装備で固める。とはいえそんなにたくさん装備を持ってはいないから、身に着けたのは指の2つとマリグナス装備を2か所のみ。回避も積んでみたけれど、実際に殴ってみたらほっとんど避けれなかったので、途中で回避は捨てました。
わかせる前にディフェンダー、陽忍、得TPアップの術を使い、食事はレッドカレーパン。
わかせるとまず確定メイルシュトロムが来るので、しょっぱなから蝉は役に立ちません。戦闘中もさすがに笑っちゃうほど一瞬で消し飛んでいくので、蝉にはそこまで頼らず、マイティストライクが発動したら一隻眼を使用して凌ぐ。
フェイスはセルテウス、ウルミア、ヨアヒム、コルモル、ヨランオランを召喚し、これでも勝てたけれど、1戦やってみた感触から連携MBをガンガン入れて一気に沈めるべしと判断。なのでヨアヒム→シャントット様に変更しました。
かつてこれほどすがすがしい脳筋の勝利があっただろうか。
忍者でゴリ押し作戦に切り換えてからは一度も失敗することなく、しかもこっちも殴られるもんだからTPがアホみたいに貯まってガンガン連携MBできるので、速攻かつ安定して倒すことが出来るようになりました。一隻眼があればますます安定するけれど、無ければ無いで問題ないくらい。
そのかわりなかなか目当ての品は出てくれませんでしたが、10箱目でついにデマサルデーゲンがドロップ。
やああああああっったああああああぁ!!!!!!
うれしいよおおおおおぉ。ドロップの瞬間、復帰してからもしかして過去イチテンション上がったかもしれん。だってジュワユースだよ!あのジュワユースをまたIL119で持てるんだよおおぉ!!
強化素材は先に揃えておいたので、手に入れるなりすぐさまHQに強化してもらいました。もう本当にうれしい。思い出補正500%なのは百も千も承知です。ウォンテッドNM装備って昔プレイしてたユーザーを喜ばせるためだけにあるんじゃなかろうか、とすら思ってしまった。
欲しいな、と最初にと思ってから数年越しの入手だったこと、自己判断かついちばん好きな忍者で討伐できたというのも、今回は出戻り隠居の身分には想定外の達成感でした。
自分で考えてやってみたのがハマると楽しいよね。こういう楽しさがあるから、現役時代もNMソロ討伐が好きだったんだよなぁ。