「そういう環境」が当たり前だったから当時は気が付かなかったのだけれど、自分のヴァナライフを振り返ると、LSメンやよく絡んでいたフレンド達は、FF11のプレイが上手な人ばかりでした。
LSメンやフレンド達とレベリングPTを組むと必ず稼ぎが良かったし、数々のミッションやBFやコンテンツでも、失敗したことはほとんど無し。稀に失敗しても、皆で作戦を練り直してリトライ、その後必ず突破し、かの悪名高かったプロマシアMも、LSメンみんなで順調にクリア出来ました。
当時はプレイすること自体がなかなかハードルの高かったFF11ですから、そもそものプレイヤーに、よっぽどやりたい人や、いわゆるゲーマーという、もともと「ゲームのプレイ自体がうまい人達」が多くいたのでしょう。
そんな中でも、とくに「うまかったなあ」と思う人が二人います。一人はもう何度かふれている、ファーストキャラで出会ったとある先輩冒険者。
もう一人は、それよりもかなり後、エル赤がすっかり馴染んだ頃に出会った人でした。
まだ赤魔道士のLvは30代。PT希望も出さずにジュノにいたところ、あるシーフの人から「よければ組みませんか」とPTに誘われました。まだリフレシュも覚えていない、PT参加希望も出していない、しかも魔道士に向かないことにかけては折り紙つきのエルヴァーンにあえて声をかけてきたくらいなのですから、よっぽど後衛が居なかったのでしょう。
そのシーフの人はとても明るくハキハキした人で、狩りにおける指示やリードも巧みという、ちょっと印象深い人でした。彼をリーダー兼釣り役としたそのPTは終始楽しく、その日はかなり稼ぐことができました。まだ冒険者としては未熟だった自分でも、「この人うまいなあ。今日の稼ぎが良かったのはこの人のおかげだな」ということは、漠然と分かるほどでした。
その日はそれでおしまいだったのですが、その翌日、これもとくに希望を出していなかったところに、先日のシーフの彼から「よければ組みませんか?」とtellが来ました。
おやまたか、よっぽど後衛不足なんだなーと思いつつ、その日も「自分でよければ」とPTに加わり、やはり楽しくおいしく稼がせてもらいました。
この日のPTを解散した後に、どちらから誘ったのかはもう覚えていませんが、彼とフレンド登録をしました。
シーフの彼、仮にK氏としておきましょう、彼はとても魅力的な人物でした。親しくなるにつれて、彼は基本的に礼儀正しくはあるけれど、くだけてくるとけっこう毒舌な、軽口やジョークの好きな人だということも分かって来ました。とても頭が良く機転のきく人で、気が強く、何事も率先して動くリーダー体質でもあり、ただ群れることはあまり好まない、馴れ合いを嫌う部分もある人でした。
その後も彼とタイミングが合えばよくPTを組み、とくに組まない日でも、tellで何かしらの軽口を叩き合うのが日常になっていきました。
私は自分がリーダーをやっている雑談LSがあり、彼は特定のLSに所属しようとはしなかったため、終始彼とは「フレンド」という関係性のみ。
私は基本的にソロかLSメンバーと遊ぶことが多く、またレベリング以外のことをのんびりする方が好きで、レベルの上がり方は緩やかでした。対してKはレベリングが好きで、高レベルになるとHNM活動にも積極的でした。「プレイスタイル」という点では正反対といっていいほどだったのですが、不思議とウマが合い、彼との付き合いはLSの最古参メンバーに次いで長くなります。
当時は赤魔道士と忍者くらいしかやっていなかった私と違い、彼は既にいくつものジョブのレベルを上げていて、前衛も後衛も経験豊富でした。何より「どんなジョブをやらせても本当にうまい人」でした。
ヴァナで様々なプレイヤーに出会ううちに、私の中に「釣り役、シーフ、戦士がうまい人はプレイスキルが高い」という基準が出来上がっていたのですが(いずれも視野の広い分析力や状況判断力、咄嗟の機転、幅広い対応力が求められるため)、彼はそれにまさにピッタリな人物だったのです。
レベリングPTのみならず、カンスト後は様々なコンテンツやミッションも一緒に攻略していくようになるのですが、その都度彼の立ち回りを間近で見て学ぶことが非常に多かった。ちょっとしたときのアドバイスも簡潔かつ適切で、そういう彼の足を引っ張るのが嫌で、また明らかにプレイヤーとして上手な彼に負けるまいと、当時の私はまさに切磋琢磨していました。おかげで私のプレイスキルは、相当に向上していきました。
ちなみにこっちの記事でふれている、忍者をやるための金策でグスゲンに籠もりきりになった私を強引に外に引っ張り出した人物というのが、彼ことKのことでした。彼は私のやる赤魔道士を、とくに気に入ってくれていたようです。「最初にわざわざ探して二度目のPTに誘ったのは、うまいなと思ったからだよ」と後から聞かされたときは、嬉しいやら気恥ずかしいやらでした。
さらに言えば、忍者でカンストした後ひたすらソロっていた私を、彼は半ば無理やりにメリポPTに引っ張り出した人物でもありました。つまり彼は「引き籠もっていたところを二度までも連れ出した人物」であるわけです。
ちなみに当時の私がなぜメリポPTを避けていたのかというと、空LSやHNM活動に無縁だったため、前衛垂涎の装備「白虎佩楯」を持っていなかったからでした。
「佩楯持ってない忍者はメリポ来んな」とすら言われるほどのソレは、有る無しでスペックが大きく変わるのは確かだったこともあり、私はどうしてもメリポPTに加わることに気が引けてしまっていました。
なにしろ当時のメリポPTといえば、もはやエンドコンテンツの一つとすら言えるもので、特に野良だと「100チェーンいって当たり前」「高時給当たり前」「それが出来ないなら参加するな」というくらいの、経験が無く装備も揃っていないプレイヤーには参加のハードルがとても高いものだったのです。
佩楯ないからいいよ、と遠慮する私を、Kは「そんなの関係ない」といって強引にメリポPTに引っ張り出して固定を組みました。私はもうすっかり必死で、なんとか及第点の稼ぎが出来ると安堵したものです。
そのうち縁あってやっと白虎佩楯を手に入れることができたときには、Kはわざわざ見に来て「良かったな!」と我がことのように喜んでくれました。本当に良い友人でした。
LSメンバーとはまた別のところで、私のヴァナライフに多大な影響を及ぼした一人。フレンドとしておもしろおかしく過ごすことができたことも勿論ですが、とくにプレイスキル、PTでの立ち回りについては、その影響を受けたところがとても大きい人物でした。
かつて憧れたあの冒険者を私のヴァナにおける師匠とするならば、Kは共にヴァナを渡り歩いた友人であり、終始手応えのあるライバルでもありました。そしてあの冒険者と同様に、彼に出会っていなければ、私のヴァナライフは大きく変わったものになっていたのだろうと思います。